悪辣

新幹線の自由席に乗ったら絶望した。

もうほんとにこの田舎やだ
東京に戻りたい


混雑故に立って乗るのだから、当然入口から離れた所まで詰めていくのは先頭の人間であるはずなのに、自分が掴まるところを得たなら直ちに立ち止まる田舎根性。
文句があるならお前が俺を追い越していけばいい、とでも言いたげな馬鹿面。

利益ではなくて利益を享受できる場所を確保しようとするのが農村百姓の魂なんですね、わかります。
場というものから分離して利益だけを見るようになるには都市という組織が必要だったかもしれません。


何かを占有するのは生きていくためなのだけれど、それを心得ない段階ならば喪失は死そのもの、獲得は生命。
そして常に一方的な収奪である第一次産業に従事する限りにおいては、職務は生活であり場所であり、自然であるわけで。

ただ生きること自体をそれのみとして意図するとき、人は土地を喪失するのではないかな。
もっとも、昔の人間はただ死に追いやられて転職したにすぎないのに対して、最近は利益というもの――というのはつまり金を、求めているのだが。

軍隊とか匪賊とかのそれに近いんじゃないですか、最近の人の土地感覚って。
引っ越しの文化史なんか、考えていただけるとおもしろそうですね。誰か論文に（ｒｙ


ま、それを資本主義と呼びたければ自由にするがよい。
他人を説明するという学問は、まだ僕にとってはうまいこと定位出来ない分野ではあるのだが。

夢想だと思うんだけれどねえ。
人間はこれから何年生きるのか知れないが、そろそろ自分を中間地点に置く世界観を獲得したらいいのにね。