民主主義は恥じることなかれ。

空港の出発ゲートの横でNHKのニュースが流れていたんです。
事業仕分け、というのはつまり（何年後かに読む人がいるかもしれない）、政権与党の議員がとりあえず予算を削減するエンターテイメント事業ね。

それでまあNHKの編集方針とか、色々文句の付け所はあったんですけれど…
ちょっと面白い出来事があったので記録しておく。


まず最初に流れたのは防衛省の研修施設建設費について。
削減側から「文科省あたりから借りればいいのではないか」という至極ごもっともな指摘、「代替施設がないか調べたのか」という至極ごもっともな（ｒｙ

防衛省は「そこまで調べていない」という回答で、結局この事業は凍結。
テレビを眺めている団体客からは「そりゃそうだ」などのつぶやき、失笑等。

ま、そのとき僕が「じゃあ代替施設があるのか、お前は調べたのかよ」と思ったことは秘密です。
「結局なかった」場合、誰が日本の国益を担ってくださるのだろう。


次に流れたのは地方バス路線において車両買い替えを支援するための予算。
赤字路線の維持と車両買い替えがセットになった予算のうち、「政府が車まで買ってやる必要があるのか」ということで維持部分のみ継続。

その後で山梨の関係団体の人からの遺憾のコメント、聞き取りにくいうえに字幕がないので、いかにも「不当な主張」に思われる。
NHK側の演出だろうと解釈できるので、不愉快。


ところが…
このニュースが流れたとき、場の空気は非常に静まってしまった。

空港は那覇。沖縄こそは典型的な車社会。
そして見るからに赤字で走っているオンボロバスが非常に多い。

沖縄在住の人か、旅行でバスを使った人ならば分かるはずなのである。旧型のバスを買い換えることの、自分に関連する利益を。


つまり混乱してしまったんだろうな。削減された予算を「無駄」とは感じられなかったから。
実際、どのバスも黒煙を吐き出して頑張ってたけど、酷いもんでしたよ。特に東京での「バス」のイメージからの乖離は相当なもの。

あれだけバス網が発展して、各社共通の前払い制度がないこと自体、まずおかしいと思う。
特に観光に特化して運輸量を確保するしかないはずなのだから、抱き合わせの乗り放題とか、色々考えるべきことはあるだろうに。

それに僕は最近（といっても直近には全く耳にしなくなったが）地球温暖化の脅威をつとに「感じて」いるのですが？
あんなオンボロディーゼルで、地球は守れるんですか？

まあバスなんか乗ったことないんだろうな、電車乗ればいいんだろうなと、そう思われて仕方ない。


現実の問題として、一度声を荒立てると引き際がなくなる。
あまり無節操なのも困るが、国民なんてどうせ家畜みたいなもんだと思われてるんだから、もっといい加減でも問題はないと思うなあ。